ひそかなお洒落「襦袢」
「襦袢」とは
襦袢とは、着物の下、肌着の上に着るものです。
きものの裏側の汚れを防ぐとともに、保温の役目や着物本体の裾さばきをスムーズにする役割があります。
襦袢はポルトガル語のジバン(袖の広い上着という意味)の転訛で、16世紀頃南蛮人によってもたされました。
それまでの日本の下着は白無垢の対丈仕立てでしたが、16世紀頃より丈の短い襦袢が流行し、その後、半襦袢、長襦袢が生じました。江戸時代には着物が豪華になるとともに長襦袢も贅沢になり、絞りや刺繍などが用いられ、明治から昭和初期までは、最も華やかになり、個性的な長襦袢が多数作られました。
長襦袢のお洒落
きもののお洒落を心得た方ほどこだわる長襦袢。袖口や袂からこぼれる色柄でお洒落を楽しみます。
また、単衣の着物は、透けるため色柄で遊ぶことはあまりできませんが、素材でお洒落を楽しむことができます。
「楊柳」という独特のシボのある素材が代表的で、軽やかな見た目と涼やかさに加えて、シボがあることで肌にはりつかないため快適な着心地があじわえます。
長襦袢の衣替え
長襦袢も季節にあわせて衣替えをおこないます。
11月〜4月 | |
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袷(あわせ) | 胴の部分に裏地を付け、袖の裏地は表地と同じ生地を付けて仕立てられているもの |
袖無双(そでむそう) | 胴の部分は裏地を付けず単衣仕立てで、袖の裏地は表地と同じ生地を付けて仕立てられているもの |
5月、9月中旬~10月 | |
単衣(ひとえ) | 胴と袖の部分ともに裏地を付けずに仕立てられているもの |
6月~9月中旬 | |
夏物(なつもの) | 生地が夏物(呂や紗、麻など)、仕立ては単衣と同じもの |
長襦袢の衣替えは、着物の衣替えの季節とひと月ずれています。夏物へと移る時も長襦袢は着物より、ひと月先に衣替えをします。袖無双から単衣に変えるだけでも涼しく感じることができます。季節にあわせて衣替えをすることで快適に着物を着ることができます。
夏の長襦袢 -注意点と見せ方-
夏の長襦袢は袷の着物の時より気を使います。夏の長襦袢の注意点は色と着丈、袖丈です。夏の着物は薄いため濃い色の長襦袢を着ると上に着る着物に響いてしまいます。
また、着丈、袖丈も丈が短い場合は上に着ている着物との段差が透けて見えてしまいます。袖丈も短いと夏の着物は軽いため、長襦袢の袖が飛び出てしまいます。夏は長襦袢の着丈と袖丈に注意するだけで着物姿を綺麗に見せることができます。
正絹の汗だく長襦袢を水で丸洗い
夏は一度来ただけで着物も長襦袢も汗でびっしょり。シミはないからと陰干しし、そのまましまうと次のシーズンに見事に黄ばんだ長襦袢に出会うこととなります。 「ハッピーの無重力バランス洗浄技法」は、着物・長襦袢の縫製を解くことなく「水で丸洗い」することが可能です。水洗いで汗の汚れもさっぱりきれい。次のシーズンも新品同様の着心地を味わっていただけます。