ドライクリーニングの実態
ドライクリーニングの長所と
短所を徹底解剖
ドライクリーニングって何?
英語の辞書でドライを調べると【dry:かわいた, 乾燥した】とあります。
この意味から、なんと「風で洗う」と思っておられる方もいらっしゃるようですが、そうではなく「水を使わないクリーニング」という意味で、「水」の代わりに「有機溶剤」を用いる洗濯方法です。
実際は写真のようなドラム洗濯機で洗浄します。
水洗いの場合は、洗浄水で洗い、きれいな水に入れ換えながら濯ぐことができますが、ドライクリーニングに用いる有機溶剤は引火物のため排液できないため、ペーパーフィルターと活性炭で、ろ過しながらグルグルと循環させてながら洗います。
そのため、利用回数が多くなるとだんだんと溶剤が汚れてきてしまいます。
ドライクリーニング独特のニオイ
通常は、溶剤が汚れてくる前に溶剤の交換をおこないますが、無色透明の溶剤が茶色く濁っても交換せずに使い続けているクリーニング店もあるようです。
茶色く濁ったものは溶剤に溶け込んだ脂肪などの汚れが濃縮したもので、さらにベースタンクの中で腐敗すると、独特のニオイ(脂肪酸臭)を発するようになります。
このような溶剤によってクリーニングした後の服にも脂肪酸臭が付着します。無色透明のキレイな溶剤が使われていれば、溶剤は乾燥時に気化してニオイは残りません。しかし、汚れた溶剤が使われていた場合は、溶剤の脂肪酸臭が服に残ります。つまり、クリーニング後に、衣服から「すえた油のようなニオイ」がする場合はクリーニングによって逆汚染してしまった可能性が考えられますのでご注意ください。
ニオイの原因となるドライクリーニング機のベースタンクに溜まったヘドロや脂肪酸
ドライクリーニングと水洗いの違いを実験
「しょうゆ」と「口紅」編
1.
汚れには水性の汚れと油性の汚れがあります。
洋服の場合、皮脂汚れ等の汚れは油性の汚れ、タンパク質、アンモニア、塩分等の汚れは水性の汚れです。
この洋服の汚れを再現して、布にしょうゆ(水性)と口紅(油性)をつけた「テスト布」2枚を用意します。
2.
水の入ったビンと石油系溶剤(ドライクリーニング溶剤)の入ったビンを用意します。
水の入ったビンは水洗い、石油系溶剤の入ったビンはドライクリーニングで起きていることを再現します。
3.
それぞれのビンにあらかじめ準備した「テスト布」を入れて、密閉します。
4.
両方のビンを同じように上下に強く振り、洗濯機で洗っている状態を再現します。
ドライクリーニングは、油性の汚れを落とすことには威力を発揮しますが、その他のたんぱく質やアンモニア、塩分といった水性の汚れを取り除くことができません。
一方、水洗いは水性の汚れには威力を発揮しますが、油性の汚れを取り除くことは難しいことがわかります。
「トイレットペーパー」編
1.
水の入ったビンと石油系溶剤(ドライクリーニング溶剤)の入ったビンを用意します。
水の入ったビンは水洗い、石油系溶剤の入ったビンはドライクリーニングで起きていることを再現します。
2.
両方のビンに同じぐらいの大きさのトイレットペーパーを入れます。
3.
両方のビンを同じように上下に強く振ります。
ドライクリーニングと水洗いで同じスーツを洗いました
水:水洗いの特性である、縮み、変形が起こり、繊維に負荷が掛かっていることがわかります。
ドライクリーニング:縮み、変形が起こらず、洗う前の状態と変わらない。繊維に負荷をかけないことがわかります。
二律背反の問題を解決
シミ・汚れ・黄ばみを落とせば、繊維やシルエットがダメになる。繊維やシルエットを大切にすれば、シミ・汚れ・黄ばみがキレイにならない。
この二律背反する課題を解決したのが「水油系・アクアドライ®」です。