SDGs・DX・GX・ESGの
「一本の道」を歩み続ける
令和3年8月16日
株式会社 ハッピー
「ハッピー」は、「いい服長持ち」と脱炭素社会=カーボンゼロを再宣言します
■序文
「ハッピー」の自然循環型ケアメンテ=再生産サービス産業は、「いい服を長持ち」をさせることであり、且つ、「いい服長持ち」は、脱炭素社会=カーボンゼロに置き換えられるのです。この唐突に「結論づける」根拠について長い歳月が過ぎていく中であっても必ず「いい服長持ち=カーボンゼロ」に到達するという「一本の道」に、持続・継続の信念を元に諦めることなく取り組んでいることを解説してまいりたいと思います。
さて、当社「ハッピー」の設立経緯は、1975年に環境保全事業として“ECC(Environment Clean Corporation)ハシモト”を創業したところから始まります。当時、工場群から排出される汚染水が公害として取り上げられ、瀬戸内海環境保全特別措置法(1973年)の厳しい法制度が実施された頃です。当時、石油メジャーのシェル(Shell plc、旧称: ロイヤル・ダッチ・シェル)社から、ガソリンスタンドで排出される洗車水などを再生しながら循環使用する装置開発の依頼を受け、シェル石油に水の再生循環装置を納入したことに端を発しています。
そして、その実績から水の再生循環装置の方法論をドライクリーニングの溶剤に援用・転用する提案をシェル社から受けて、ドライクリーニングの溶剤を新液に再生しながら洗浄する浄油再生装置を1978年に開発しました。1979年に株式会社京都産業を設立し、浄油再生装置のテストをするためのランニング・シミュレーションのクリーニングプラント、屋号「ハッピークリーニング」を京都の宇治で起ち上げました。このクリーニングプラントを運営していく中で、ドライクリーニングの洗浄の限界と健康の問題に深く関わることになり、これらの課題を克服するために1980年頃から新しい水系洗浄方法の開発に着手しました。1985年頃にはその技術的方法「アクアドライ®」や仕上げ方法「シルエットプレス®」を開発し、次いで、不可能と言われていた酸化して黄ばんだ衣服の再生・再現方法の開発に取り組みました。衣服の色彩色調はそのままに、繊維と形状を変化させず、壊さずに酸化した黄変だけを除去するなどの化学的解決方法「リプロン®」を開発して確立させたのが1990年頃です。その後、独自のITのシステム開発をしながら、サービス業のサービスの生産性と仕組みの研究に取り組みました。
そして、従来のクリーニングサービスとは異なる「ハッピーケアメンテ」を提供する会社として2002年に株式会社ハッピーを設立。「ハッピークリーニング」時代の地域密着型・多店舗経営から、日本初のインターネットや宅配を利用した全国対応型・無店舗経営(ダイレクトマーケティング)に転換すると同時にサービスのIoT化を実現し、サイバーフィジカルシステムの構築に漕ぎつけています。そして、これらを全体最適化した自然循環型の「ケアメンテ=再生産」をサービスモデルにして今日に至っているのです。
「ハッピー」は、1979年に創業した時から地球環境を大切に保全・保護するということが事業の「核」になり、いずれも環境問題に深くかかわって、「一本の道」を歩いていることに今も、昔も変わるところがありません。
言わば、「ハッピー」の歩む「一本の道」が、地球環境のテーマである「カーボンニュートラル=カーボンゼロ」に言い換えられて、世界で必要不可欠になっているのです。飛躍しますが、「カーボンゼロ」は、「ハッピー」の「いい服長持ち」のサービスの提供方法によって達成されていくと言い換えられるほど、服を長持ちさせる「ケアメンテ=再生産」事業は重要な位置づけになっていきます。
例えば、メンテナンスフリーの優秀な良い商品であっても、商品のメンテナンスは必要不可欠で、HPの漫画で表現しているような「クリーニングの瑕疵・過失」があってはならないのです。クリーニングに限らず、どんなに良い商品であっても、そのメンテナンスが下手で悪ければ商品はゴミと化します。メンテナンスには、人の手が大切な役割を果たすことになり、そこが無責任に扱われるとカーボンゼロになることはないと言えるのです。良い商品と良いメンテナンスは二人三脚の関係になり、それが「脱炭素社会=カーボンゼロ」の後押しをすることになるのです。
そこで、45年前に「ハッピー」を創業した環境問題の「一本の道」に遡り、改めて、自然循環型のケアメンテ=再生産事業の「いい服長持ち」を「SDGs・ESG・GX・DX」に置き換えて、「脱炭素社会=カーボンゼロ」を『再宣言』します。
これからの「脱炭素社会=カーボンゼロ」では、大量生産・大量消費の近代資本主義経済が見直されて、いい商品のメンテナンスが最適化されることになります。特に、ファッションの服飾業界はそれが顕著になり、3R(Recycle Reuse Reduce)を超えて、作り替えや部品の取り換えなどをすることなく、長く使用、利用できる自然循環型のサイクルメンテナンスサービス(ケアメンテ=再生産サービス)が必要不可欠になっていくのです(詳しくは、“GX、グリーントランスフォーメーションについて”の項で後述します)。
なぜなら、サイクルメンテナンスサービスは、「いい服」を「長持ち」させるところに、「脱炭素社会=カーボンゼロ」の新たな価値が生まれるからです。それが「ハッピーケアメンテ=再生産サービス」の役割であると言えるのです。
すなわち、「ハッピーケアメンテ」の自然循環型の再生産サービスの仕組みは、新たな商品価値を生むことになり、それが、潜在している新しい市場を形成していきます。新しい市場は、大量生産・大量消費の近代資本主義経済から次世代型の経済構造を誕生させる引き金になり、それが「脱炭素社会=カーボンゼロ」を達成する土台を造っていくようになります。これを「ハッピー」の役割・使命として、これからも「一本の道」歩み続けてまいります。
- 目次
- ■はじめに
- ■DX、デジタル トランスフォーメーションについて
- ■GX、グリーン トランスフォーメーションについて
- ■2002年の設立当初から「DX・GX・ESG・SDGs」の道を「ハッピー」は歩み続けている
- ■まとめ
- ■番外編…注意点
- 「ハッピー」の環境保護への取組み…ESG → 1975年の創業以来取組んでいます
- 「ハッピー」の多段階層特許群について…コモディティを防ぐ
■はじめに
本書の結論を先に述べてまいりますと、ホームページのトップで漫画にしている「クリーニングの瑕疵(クリーニング後、保管中に浮いてくるシミ・黄ばみなど=シミ忍者)」を作らないことが「ハッピー」の創業時の重点課題でした。
本来であれば「クリーニングの瑕疵」は、絶対にあってはならないことで、言わば、「クリーニングの過失」とするのが正しい理解の仕方であると言えます。ところが、ほとんどの消費者の方々は、「クリーニングの瑕疵・過失」を「当たり前」のこととして捉え「クリーニングの瑕疵」が起こるのは「保管の仕方が悪いので仕方がない」と受け止めて、「クリーニングの瑕疵」を自分自身の責任にしています。
実際は誰に教えられることともないのですが、敢えて言えば、普段、利用しているクリーニング屋さんからクリーニングの瑕疵・過失を「お客の保管方法に問題がある」という過った情報(フェイクのような偏向した情報)を繰り返し教えられることで、なんの問題も起こっていないように諦めています。
そして、その過った情報が潜在意識に刷り込まれて、「いい服」を短期間のうちに捨てて、次から次に、新しい衣服を買って浪費していることが当たり前になっているのです。ここに、ほとんどの消費者に気づきがありません。
この浪費は、服飾品とクリーニングの関係に限らず、生活消費財・耐久消費財・生産財など、すべての経済的な財によって、大量生産・大量消費の経済を成り立たせる社会構造(近代資本主義)になっています。
実は、この近代資本主義の大量生産・大量消費の経済が限界に達し、これが地球温暖化を生む元凶になっているということの気づきが生まれはじめています。大切なことは、人の命です。人の命を守りながら、地球温暖化を防ぐ経済循環の方法を追求するようになってきました。そこにESG(ESG投資)が生まれ、GX、DXに遷移してSDGsに変遷しているのです。近代化資本主義の大量生産・大量消費の時代は、とうの昔に過ぎ去っています。
そして、このままでは地球温暖化によって尊い命が奪われるだけでなく、経済が循環しなくなる予測から、2019年8月フランスで開かれたG7のサミットで、バーバリー、グッチの先導によって、「ファッション協定」が取り決められた経緯があります(この内容については、後項の「GX(グリーン トランスフォーメーションについて)」で詳述します)。
そして、この地球環境問題に留まらず、2019年12月にコロナパンデミックが経済的な損失に拍車をかけるのを防ぐことが経済の重要課題になります。
そこで、服飾品に焦点を絞って言えば、高度経済成長の長い時間軸の中で、「クリーニングの瑕疵・過失」が「情報の非対称性」になって、過ちの情報を正しい情報と認識するような情報コントロールに慣らされて、まるで、大量生産・大量消費の近代資本主義に隠された風評被害で「クリーニングの瑕疵・過失」が社会に蔓延しています。それを誰一人として疑問に思わなくなっており、このような人々の無意識の肌感覚が、物を売れなくしている原因になっているのです。
このことは、クリーニングと服飾関係だけに言えるのではなく、溢れかえった今日の社会の「財」のすべてに言えることで、これを解決する方法は、商品・サービスの高付加価値化をおいて他に方法はありません。その答えは本物志向の追求です(筆者の「いい服長持ち」で述べています)。本物志向は、感動・体感品質のカスタマーエクスペリエンスを実践することのみにあると考えるのが正しいと言えるのです。
今日のように、偏った作為的な情報が氾濫する社会では、消費者の一人一人が根も葉もない噂のようなものに惑わされず、よほどの知見で真実を見破ることができなければ、「情報の非対称性」という過った情報に翻弄されて風評被害を受けることになりかねません。
そこで、「ハッピー」は、創業来の「ケアメンテ技術」によって、クリーニング技術の限界点によって起きている「クリーニングの瑕疵」を無くし、「情報の非対称性」を排除することを使命としてきたのです。つまり、「ハッピー」の独自開発による世界発の「ケアメンテ」技術をコアコンピタンスにして「クリーニングの瑕疵」を解決しています。
そして、「クリーニングの瑕疵」の解決は、消費者のカスタマーエクスペリエンス(感動・体感品質)を実現させ、自然循環型の再生産=ケアメンテサービス産業を誕生させるに至っていると自負しているのですが、まだまだ訴求発信力が弱く道半ばであり、より一層の粉骨砕身の努力が必要と思っています。
次いで、「クリーニングの瑕疵」を解決するケアメンテ技術の開発と並行して、約40年のあいだサービスの研究と共にITシステムの開発(サービスのIoT化)を継続し、それをサイバーフィジカルシステムとして完成させ、高付加価値の収益構造(世界初のビジネスモデル)を創出したことが評価されて、経済産業省のDX認定企業に選出されたのです。
そして、「ハッピーケアメンテ」の持続開発可能(SDGs)は、さらにDX、GXに遷移し、本物志向のビジネスモデルを実現しているのです。加えて、今後のデジタル開発(DX)が次世代型のビジネスのサービスモデルを創出し、それが、さらなるカスタマーエクスペリエンスを生んで持続成長の道を歩んでいくことになります。これが、本物志向の価値であり「いい服長持ち」の意味になります。本書では、これまでの道のりと明日への道筋の一端を明らかにしてまいります。
■DX、デジタル トランスフォーメーションについて
企業のDX(デジタル トランスフォーメーション)が、企業の中に定着して徐々に前進しています。
経済産業省は、情報処理の促進に関する法律、第31条に基づくDX認定制度を設けましたが、上場している大手企業ばかりが名を連ねています。
大手企業ばかりが選ばれる厳しい認定選択基準の中で、唯一、中小企業の「ハッピー」がDX企業に選出されていることに特異性を感じますが、元気に成長されている中小企業が他にも多くあるわけですから、他の中小企業もDX認定を受けて成長していければ日本経済にとって前途洋洋の結果を残せると思っています。
経済産業省は、DX(Digital Transformation)の定義を、「デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革することであったり、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもの」としています。
一方では、「2025年の崖」と言われているレガシーシステムの崩壊があり、デジタル化のリスクを見逃すことはできません。しかしながら「DX認定制度」は発足したばかりで、未知数のところもありますが、デジタルテクノロジーの進化によって、新たな価値のビジネスモデルが生まれるようになるのは間違いないことのようです。
「ハッピー」では、その意味において、再生産ケアメンテ技術(Low Technology)を土台にして、ビッグパーソナルディープデータがバックオフィスとフロントオフィス、ユーザーをメビウス循環するシステム構造を構築し、クリーニングと一線を画した「ハッピーケアメンテサービス」をサイバー空間上で展開しています。そのビジネス構造は、生産性を飛躍的に向上させる収益構造を構築し、加えて、一部のアナログテレホン業務をデジタル化することで消費者の利便性と機能性が高まり、それが評価されてDX認定企業に選出されたのです。
さらに「ハッピー」では、再生産ケアメンテ技術のコアコンピタンスと、新たなビジネスモデル構想を融合させた次世代型のDX、GX、ESG、SDGsを循環させる仕組みの確立を急いでいますが、1990年頃から約30年間の準備が整い世界初の市場形成に足を踏み入れるのは間もなくです。独断と偏見になりますが、「ハッピー」の「世の中の役に立つ」という経営理念・哲学に、世界の足並みが揃ってきたように思います。
「ハッピー」は、世界のファッション文化の価値を創造するために「縁の下の力持ち」に徹し、「ケアメンテサービス」の普及に尽力してまいります。諦めない継続は「力」です。
さて、日本経済の成長にとってDXは重要な構成要件の一つですが、さらに、新たな課題に挙げられるのがGX(Green Transformation…次項で詳細説明)の展開になります。
ここで、DXとGXの関係性を簡単に述べておきますと、世界の発電事業は重厚長大なエネルギービジネスをDXによって柔軟性のあるソフトビジネスに転換させることで、GXに移行できるという必須条件が成り立つのです。
例えば、エネルギービジネスは、DXの構想力、企画力、ソフト開発力などが挙げられ、VPP(Virtual Power Plant=仮想発電所)企業と言われるドイツのネクストクラフトヴェルケ社は、各種の発電設備、EV、蓄電池の余剰情報を集合し、サイバー空間上でネットワーク管理して発電施設をコントロールするヨーロッパ最大のVPP企業になっています。
自らは発電施設をもたず発電の需給管理をすることで、発電のON、OFFを行うことができるようになっており、これに天候予測も加味しAIの人工知能で、より精度を上げながら、その時間の電気市場の価格を安価に売買できるソフトを構築しているのです。こういったようなものがDXであり、デジタルの成果であると言えます。余分な燃料を使わず発電をすることなく、最適化された電気の需要に対して適時打で電気の供給をおこないます。
つまり、必要以上に発電しないことは必要以上の炭酸ガスを排出しないことになり、それがカーボンニュートラルに繋がり地球温暖化の防止に役立っているのです。すなわちDXとGXの融合であり、車の両輪のような関係のビジネスモデルです。
しかし、ネクストクラフトヴェルケ社も、最近では価格の過当競争に追い込まれ、市場をドイツの国外に向かってビジネス展開を始めています。やはり、強いビジネスモデルは、特別な優れた技術のコアコンピタンスを持ち、それを支えるDXが必要であるのかもしれませんし、サイバー空間上だけのビジネスは、一過性の収益を得られてもサスティナビリティ(SDGs)になることは、そう多くないのかもしれません。
また、日本において、予約や注文システムなどのインターフェイスのアプリ開発や作業現場工程の可視化(見える化)などをDXと呼んでいるとすれば、ドイツのデジタル開発に対する構想力、企画力、ソフト開発力に大きな差があり、日本のDXはドイツのVPPに遠く及ばないだけでなく、日本の、それがある意味「情報の非対称性」になってしまうと言えなくもないほど焦燥感に駆られてしまうのです。
■GX、グリーン トランスフォーメーションについて
GX(Green Transformation)とは? 言葉としての認知度は、まだ低そうですが確実に浸透していくことになるでしょう。
GXとは、温室効果ガスを発生させないグリーンエネルギーに転換することで、産業構造や社会を変革し経済成長に繋げるとしています。
世界のファッション業界は、2019年8月にフランスで開かれた主要7か国のG7サミットで、グッチなどを手掛けるフランスのパリに本拠地を置くケリング社が、2050年までにカーボンゼロを「ファッション協定」として提案したことに始まっています。
高級ブランドでは、バーバリーやシャネル、フェラガモなどが賛同し、2020年10月には、加盟企業が14か国60社になり、ブランド数は200以上となったのです。
「ファッション協定」では、気候変動、生物多様性、海洋保護を3本柱にして、2025年までに原材料の最低でも25%を持続可能な素材を使用し、再生可能エネルギーへの転換を50%にして、2050年までには「温暖化ガス排出量ゼロを目指す」としています。
これを受けてヨーロッパでは、デパートグループの最大手、ギャラリー・ラファイエット社が、サスティナビリティ(SDGs・持続開発可能)、GX大規模キャンペーンの「Go for Good」の展開を行ったことで「緑の消費者」が増えています。GX大規模キャンペーンの親善役にファッションデザイナーのステラ・マッカートニー氏が親善大使に招かれて、環境に配慮した商品やブランドを数多く紹介したことで、消費者の心を捉えて「緑の消費者」が増加しているのです。
デザイナーのマッカートニー氏は、ファッション素材において、環境を保護する立場から生物の多様性で多大な功績があり、アメリカのバイオテックのボルト・スレッズ社が開発したキノコからマッシュルームレザー「マイロ」を使った鞄は成功事例の一つに数えられています。
カーボンニュートラルを主導しているマッカートニー氏は、「ファッション業界でサスティナビリティを実現するには、デザイナーとして誰もが欲しいと感じ、捨てたくないものをデザインすること」とし、「長持ちするものこそ、人々を大量消費から遠ざけ、地球環境に優しいものになる」という考えを表明したのです。そして、これが、「ブランドの訴求力になり、新たな価値を創出する」としています。
「ハッピー」は、2002年の設立時に自然循環型のケアメンテによる再生産サービス産業を創出するということを事業目的としてきました。すなわち、物の作り替えの「リサイクル(Recycle)」、繰り返し使う「リユース(Reuse)」、資源の量を減らす「リデュース(Reduce)」の3Rの先にある「再生産=ケアメンテ」という取組みです。
再生産は、自然現象で起こる酸化によって黄変した衣服、また、経年劣化で皮革製品の損傷した衣服や鞄など、リペアのように、黄変、損傷した部分の部品を取り替えたり化工を加えず、個体そのものを「新品同様」に蘇らせる再生技術です。
つまり、劣化した個体を新品同様に再生する生産方法で「再生産」というわけです。この再生産する技術をケアメンテ技術と呼び3Rと区別しています。服飾品・ファッション類の新製品を次々に製造するのではなく、「いい服」を新品同様に、いつまでも「長持ち」させることで温室効果ガスを抑制し、カーボンニュートラルに貢献しようというわけです。
世界に類例のない再生産=ケアメンテ技術をコアコンピタンスにし、「ハッピー」はケアメンテサービスの事業構成を組み立てています。それが、「ハッピー」の「いい服長持ち」の取組みです。
「ハッピー」設立時の2002年から「いい服長持ち」の取組みは、マッカートニー氏の「サスティナブルにするには、捨てたくないものをデザインし、長持ちするものこそ、人々を大量消費から遠ざけ、地球環境に優しいものになる。それが新しい価値を生む」という考え方と変わるところはないのです。
したがって、「ハッピー」の「ケアメンテサービス」は、3Rの常識を超えたGXそのものであり「グリーン トランスフォーメーション」というわけです。GXは、先述しているようにG7サミットの「ファッション協定」によってカーボンニュートラルに重なり、世界のファッション業界、特に、有名ハイブランドは使い捨てを見直すようになりました。
ヨーロッパのデパートグループの最大手、ギャラリー・ラファイエット社がサスティナビリティ(SDGs)の大規模キャンペーンの「Go for Good」で「緑の消費者」が増えていると前述しましたが、これを真似て、表面上のセールストークで目先の収益を追いかけたのでは「緑の消費者」に一過性のビジネスと、すぐに見破られてしまいます。マッカートニー氏の表明された事実を根本的に見直し、それを行動に移す必要性が生まれる時代に突入しているのです(特に、コロナ終息後顕著になる)。
マッカートニー氏は、「ファッション業界でサスティナビリティを実現するには、デザイナーとして誰もが欲しいと感じ、捨てたくないものをデザインすること」とし、「長持ちするものこそ、人々を大量消費から遠ざけ、地球環境に優しいものになり、これが、ブランドの訴求力になって、新たな価値を創出する」するとしています。
「ハッピー」の「いい服長持ち」の取組みは、気に入ったものをケアメンテ技術で再生産し、再生産は新たに物を製造しないので温暖化ガスを削減することに繋がります。したがって、「ハッピー」のコアコンピタンスであるケアメンテ技術=再生産は、GXを実現させ、「緑の消費者」を味方にしたサスティナビリティに事業展開のできる方法になっているのです。
「ハッピーケアメンテサービス」は、再生産するという生産現場を持ち、コアコンピタンスである再生産のケアメンテ技術を有し、フロントオフィスとバックオフィスを連結させて、業務をシステムコントロールするDXを有しています。
さらに、ケアメンテ技術は、感動・体感品質のカスタマーエクスペリエンスで「いい服長持ち」をカタチにする実践現場で、ファッション業界のハイブランドに無くてはならない存在になろうとしています。つまり、サイバー空間上だけのビジネスではなく、地に足の着いたリアリティな生産現場と技術を有し、また、バーチャリティのDXによって、サイバー空間上のビジネスを展開しているのです。
■2002年の設立当初から「DX・GX・ESG・SDGs」の道を「ハッピー」は歩み続けている
実は、前記のように考えていきますと、ハイブランドのファッション装飾品が使い捨てられていく原因は、クリーニング技術の限界にあると言えます。クリーニング技術の限界が、衣服を劣化させていると言っても決して過言ではないのです。
「ハッピー」では、クリーニング技術の限界を超えるために、約40年の歳月をかけて「ケアメンテ」技術を開発してきました。これを支えるのが「無重力バランス洗浄」という発明であり、方法論と装置(多段階層による特許)と化学処理(ブラックBOX)を一体化させたケアメンテ技術の再生産の確立です。これによって、再生産=ケアメンテサービスの技術品質を極限まで高めることが可能になったのです。
この発明は、ホームページのトップページで紹介(漫画)しているとおり「シミ忍者=クリーニングの瑕疵」を作らないということになります。「クリーニングの瑕疵」は、消費者に「情報の非対称性」を無意識のうちに刷り込み、高級な「いい服」が着捨てられるようになっています。そして、また新たな服飾品を製造して販売し、それをクリーニングし、そのクリーニングは「クリーニングの瑕疵=忍者シミ」を作っていくのです。
すなわち、服の寿命が短命化することで、服飾メーカーは、次々と新作の服を製造し、消費者は、新しい服に買い替えていくというビジネスモデルの構図が生まれています。このビジネスモデルの悪循環が、地球温暖化ガスを大量に発生する大量生産、大量消費型のビジネス構造になっています。こう考えていきますと、「クリーニングの瑕疵=忍者シミ」は、とてつもなく大きな罪を作っていると言えなくもないのです。
これを食い止めるのが、再生産、つまり、「ハッピーケアメンテサービス」なのですが、偏狭的な視点で持論を述べてまいりますと、世界のトップ ラグジュアリー ブランドが連結して、2019年8月にフランスで開催されたG7サミットにおいて「クリーニングに瑕疵」のあることを認めたと受け取れなくもないのです。
先述しているとおり、これらの問題を解消するためにG7サミットで、グッチやバーバリーが先頭に立ち世界のファッショントップブランドが連結して「ファッション協定」を結び、これを先導するように、デザイナーのマッカートニー氏が「服の長持ち」によって服の購買動機に繋がり、このことがカーボンニュートラルに直結してGXに至り、「ハッピー」の「いい服長持ち」を世界に表明したのと同じになると考えられるのです。
このことが、「緑の消費者」が増えていく根本になっており、「ハッピー」のビジネスモデルである再生産=ケアメンテの「いい服長持ち」と同次元にあると言えるのです。
加えて「ハッピー」は、DXによって、必要最適解のデータベースをフロントオフィスとバックオフィスにメビウス循環させて一元化管理で生産性を、飛躍的に向上させることに成功(サイバーフィジカルシステム)したことは先で述べました。これらの成功は、次世代のDXを構築してGX、ESGに繋がり、持続開発可能(SDGs)な、新しいビジネスのサービスモデルを創出させることに直結しています。
もちろん、GXは、ファッション業界に限らず地球規模的にESG(Environment Social Governance)とSDGs(Sustainable Development Goal’s)、さらにDX(Digital Transformation)と複合的に作用しあってカーボンニュートラルを実現させ、地球温暖化を食い止めGXを世界的な潮流にするための仕組みづくりが仕上がっていることはGXの項で述べました。
そして、GXを目指すファッション業界の世界のトップブランドを陰で支える「ハッピー」の自然循環型サービス産業の再生産=ケアメンテ(サイクル価値を生み出す)の「いい服長持ち」の取組みは、世界のファッション業界(トップブランド)がGXを推進していく土台になっていきます。
すでに120以上の国と地域が2050年までに、大気中に排出される温室効果ガスを実質ゼロにする目標を掲げ、2021年からアメリカも加わってきます。具体的なマイルストーン(中間目標)も示されていて分かりやすく、GXは新たな社会経済成長のキーワードになっていくことが予測できます。
■まとめ
以上を「まとめ」ますと、「ハッピー」は、およそ40年に渡って、「クリーニングの瑕疵・過失(クリーニング後、保管中に浮いてくるシミ・黄ばみなど=シミ忍者)」を解決してきました。
加えて、サービスを研究することによって得られた成果には、IT=デジタルによってサービスのフロントと顧客、生産のバックオフィスをサイバーフィジカルシステムで一元管理のシステム開発に成功してきました。
そして、それらの全データベースを組み合わせて利活用することで、トータルで自然循環型のケアメンテ=再生産サービス産業を構築し、確立させることができました。
つまり、「ハッピー」の取組みは、創業時よりSDGs・DX・GX・ESGを実践し、クリーニングにイノベーションを起こして、クリーニングと一線を画し、新たなビジネスのサービスモデルのカタチを創りあげてきたのです。
筆者の独断と偏見ですが、「ハッピー」の約40年間にわたる経営理念と経営品質方針で構成される「ハッピーケアメンテサービス」のイノベーション事業(SDGs・DX・GX・ESG)と同じように、世界の産業、実業界、投資・金融業界などが「ハッピー」の歩いてきた道を追随するようになってきたと言っても決して言い過ぎではないように思います。
繰り返しますが、バーバリー、グッチが先導し、世界のラグジュアリーブランドは、G7サミットで、2019年8月に「ファッション協定」を締結し、協定は気候変動・生物多様性・海洋保護を3本柱にして、2025年までに原材料の最低でも25%を持続可能な素材を使用し、再生可能エネルギーへの転換を50%に、そして、2050年までには「温暖化ガス排出量ゼロを目指す」としています。
これには、「ハッピー」の「いい服長持ち」を推進するケアメンテ技術が必要不可欠になると考えられるのです(このために「ハッピー」を設立している)。なぜなら、地球環境(カーボンニュートラル)に意識の高い消費者は、「いい服・物」を買って、メンテナンスをしながら新品の状態を維持していくことを「おしゃれ」の楽しみと捉えているからです。
そのような意識の高い消費者は異口同音に…、「ハッピーさん、ありがとう。捨てよう、と思っていたのだけど、最後の頼みでハッピーさんに頼んだけれど、やっぱり、ハッピーさんの実力はホンモノね」。
さらに重ねて、お客様は仰られます。「私が、一番、嬉しいのは、また、同じブランドが買えるからよ。だって、いい物は良いで、そこに理屈は要らないでしょ!」と、…。
すなわち、これが、新しいビジネスの価値を創出し新しい市場形成になっていくのです。だから、フランスのデパートグループの最大手、ギャラリー・ラファイエット社が、サスティナビリティ(SDGs・持続開発可能)、GX大規模キャンペーンの「Go for Good」を展開したことで「緑の消費者」が増えていることからも、地球環境に優しい「ハッピーケアメンテサービス」の「いい服長持ち」が必要不可欠な存在になると言えるのです。
また、一方で、デザイナーのマッカートニー氏は、「ファッション業界でサスティナビリティを実現するには、誰もが欲しいと感じ、捨てたくないものをデザインすること」とし、「長持ちするものこそ、人々を大量消費から遠ざけ、地球環境に優しいものになる」という考えを表明し、そして、これが、「ブランドの訴求力になり、新たな価値を創出する」としています。
「ハッピー」は、ファッション業界のGX(地球環境保護)を推進させて、ファッション業界へのESG投資(このことが重要)をアシストし、さらに「緑の消費者」の増えていくことが一過性でなく、服飾ファッションの衣文化価値として定着させる陰の力、縁の下の力持ちの黒子に徹し、ファッション業界、小売販売業界を、より確実な持続開発可能な成長(SDGs)へ導く役割を担うことになります。これが、「ハッピー」のSDGsそのものと言うわけです。
了
■番外編…注意点
…一部石油系溶剤使用 → 使用中止 2025年までにシリコーンに切替
立体…ポリエチレン → 立体包装のポリ使用を2013年までに紙包装に切替
「ハッピー」の多段階層特許群について…コモディティを防ぐ
「ハッピーケアメンテ」のサービス構造を全体最適化して一元管理し、それを機械工業における装置と物理的方法論を多段階層の特許群で囲み、さらに、サービスのビジネスモデル構造を重層的にビジネスモデル特許群で権利化しています。
これらの特許群から生まれるサービスの役務を商標登録によって、サービスの全体構造がコモディティになることを防いでいます。